成年後見人制度とは、生きている間に判断能力等が衰えて、適切な契約行為(住居や、高額な家財などの高額財産を不利に処分してしまったり)ができなくなってしまった時に、成年後見人が法律行為をサポートして本人の社会生活を維持していく制度です。

任意後見人制度は、1.自分の判断能力がしっかりしているうちに2.任意に後見人を選任しておき3.判断能力が乏しくなってきた時に後見人に財産管理を委ねる制度です。

財産管理の内容などもあらかじめ指定する事ができます。

成年後見人制度の一例

Aさんは、自分の判断能力がしっかりしているうちに娘さんに「自分が認知症などで難儀してきたら住居を処分して、娘家族と同居したい。バリアフリー化や生活上の費用負担もあるだろうから、預貯金を取り崩していって欲しい」などと言った取り決めの成年後見人の申立てを裁判所にしておく、と言った運用方法。

後日後見人となった娘さんは、被後見人であるAさんの居宅を処分(不動産業者にAさんの代わりに売却手続きと言う法律行為をする)して、娘の住む居宅のバリアフリー化工事の施工依頼(工務店とAさんの代わりに、Aさんの財産から工事費用を支出)するなどの行為をあらかじめ取り決めた範囲でする事ができるようになります。

遺言書について

遺言書の種類は主に3種類あります。

【自筆証書遺言】

要件
「自筆証書遺言」によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。(民法第968条)

専門家などに意思を伝えて代筆して貰う ×
パソコンで作成            ×

特徴
費用がかからず、いつでも書けるが、法律的な要件を備えていなかったり、内容に不備があるとかえってややこしくなる。
なお、遺言書を発見した者はこれを家庭裁判所に届け出なければなりません(検認)

【秘密証書遺言】

要件
「秘密証書遺言」とは,遺言者が生存中に遺言の内容を秘密にしたまま,存在のみを明確にしている遺言書の事を言います。

特徴
 遺言者がその証書に署名と押印をし、公証人に提出します。
 遺言者が署名押印をすれば、代筆やワープロの作成でも構いません。
 公証人も内容の確認ができませんので、遺言内容に不備があり無効になってしまう場合があります。
 自筆証書遺言と同様に家庭裁判所で検認手続きを受ける必要があります。

【公正証書遺言】

要件
「公正証書遺言」とは、証人2人以上が立会いのもとで遺言者が口授した内容を公証人が筆記、遺言者と証人が承認のもとで全員が署名押印して作成されるものです。

特徴
費用はかかりますが、公証人役場に保存させるため安全性は高く、内容の明確性や確実性が保証されます。
また、遺言者の死後、家庭裁判所に届け出る必要がありません。



上記、3種類の遺言書のいずれのケースにおいても自分の相続財産の確認被相続人の状況(経済的であったり、感情的な観点など)、また税制も絡んできますので、三方良しの遺言書はなかなか自力では書けないのが現状です。
洛央総合事務所では家族間の実情なども踏まえたベターな遺言内容をご提案したり、相続財産の調査などもお承しております。


遺産分割協議(相続財産の分割の取り決め)

遺産の分割は遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して行います。(民法第906条より)

遺言書により各相続人が相続する財産が具体的に指定されている場合を除いて遺産分割協議により相続人全員で協議し財産を分割する事となります。
相続人の全員が遺産分割協議に参加する必要があります。

遺産分割協議は相続人同士による話し合い

民法は遺産分割の基準について「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」と定めています(906条)。
つまり様々な諸事情を考慮してすべきなのであり、法定相続分に拘束される必要はありません。

また、遺言書が遺されている場合においても受遺者はそれを放棄し、遺産分割協議で配分割合を決定することもできます。

つまり、相続人全員が協議し、全員が同意すれば遺言や法定相続分に関係なく財産を分割しなおす事も可能です。

現物分割

相続財産(遺産)そのものを現物で分ける方法です。
(不動産はA、自動車はB、有価証券はCが相続する、など)

現物分割は、相続財産が不動産などの場合、各相続人の法定相続分通りに分割する事は物理的に難しい為、差額分を相続人同士で調整する等の手段が取られます(代償分割)

代償分割

相続財産(遺産)の分割の際に相続人同士で一つの財産を共有する等維持管理の面からメリットが無いような場合には、1人又は数人が当該相続財産を取得してそれ以外の残りの相続人に対して差額分を金銭等で調整する手段です。

換価分割

相続財産を売却して金銭に変換した上で、お金で分ける方法です。
現物を分割してしまうと価値が低下する場合(株式を分けると会社の支配力が低下するなど)などはこの方法がとられます。
この方法は、相続財産を処分する際の費用や譲渡所得税などのコストが別途発生する可能性があります。